Friday 4 November 2016

Cyclamen hederifolium 'Album':強耐寒性の原種、シクラメン・ヘデリフォリウム 'アルブム'

とうとう初霜が降りました。

数日前から庭の樹々も紅くなってきました。
今年は全然色づかず、このまま葉っぱが茶色くなって落ちるのかと思いましたが、去年よりずっと遅れたとは言え紅葉しましたね。

Aconitum carmichaelii (Nov.4.2016)
carmichaeliiの花は全て終了、と書いたのにこれが残ってました。
'雲南鳥兜'。別名'唐鳥兜'または'花鳥兜'
結局みんなcarmichaeliiの流通名らしいので、
この一本が本当にcarmichaeliiの最後の花。
場所は相当な日陰。やはり育ちが悪く花期が遅い。

原村の観測所(1017m)で午前6時に-0.2℃。
昨夜遅くまでヘッドランプで庭作業していたら、どんどん気温が下がり吐く息も白く、朝には霜だろうと思っていました。
下の畑などの開けた場所ではキッチリ霜柱が立ったそうですが、うちの庭は森の中なので微妙に保温性が良くて、大した事無く、かすかにうっすらした霜が降りただけで花も痛んでませんでした。
駅まで下りる途中で振り返ると、青空を背景に八ケ岳連峰が上の方だけ白くなっていました。昨夜、空は晴れているのに何か雪っぽい物が顔に当たると思ったのはこれだったのかと。
風花ですね。

今朝は晴れ。
風も無く昨日より暖かかったです。折角の庭日和ですが私は東京。

庭は土木工事中(Nov.4.2016)
ベルトランが庭の配電配管工事を頼み、私が石組みと土の整備を頼み、
二組がかち合ってシルバー人材がなんと今朝は4人もいていかにも工事中の雰囲気
昨日は一日中庭工事と低木の移植で肉体労働。日射しは暖かいけど風速4mくらいの風が常に吹いていました。
冬の気配の濃厚な風でした。

秋の花はロングランな所が良いですね。

Geranium 'Rozanne' and 'Lilac Ice' (Nov.4.2016)
ゲラニウム'ロザンネ'及び'ライラックアイス'
ワリキアヌム系統は長く咲く、とは言えもう花は疎ら
しかし晩秋の花のこの色の濃さ
名残り惜しくて姿が乱れても切り戻さなかった
Aster microcephalus var. ovatus 'Kiyosumikongiku'(Nov.4.2016)
清澄紺菊(キヨスミコンギク)
樹下なので霜にも当たらず

サルヴィア・アズレア(Salvia azurea)。
摘心すれば倒れないと言われるけれど、2回も3回も切るのが大変で管理しきれずいつも倒れまくり。

Salvia azurea (Nov.4.2016)
サルヴィア・アズレア

本当に放置で良くて手間がかからず大助かりなのが、
シクラメン・ヘデリフォリウム・アルブム(Cyclamen hederifolium 'Album')

Cyclamen hederifolium 'Album'(Oct.8.2016)

今年は9月10日には咲き始めていました。
桜の木の下にある薔薇の木の株元というこの場所は気に入ったみたいです。順調に生育中。種も沢山できてるようだし、実生苗が3年後には咲くのでしょうか。
今年は何と2ヶ月間咲きっぱなしです。
虫も付かない。病気もしない。秋から冬まで咲く。(多分)増える。
いつの間にか林床で大群落になっていると良いなと楽しみにしつつ放置しています。(11月4日、そろそろ終わりそう)

Cyclamen hederifolium 'Album' (Nov.1.2016)
Ophiopogon planiscapus 'Nigrescens'
シクラメン・ヘデリフォリウム・’アルブム’及び大葉蛇の鬚(オオバジャノヒゲ) '黒龍'

シクラメンの花は形が可愛いんです。毎年冬になると室内用にシクラメンを買い込んでいます。大きいのは好きじゃなくて、ミニばかり。
最近信州のホムセンでは「安曇野」とか「八ケ岳」という名前の耐寒性ガーデンシクラメンが売られていて、ヘデリフォリウムの交配種かなと思っています。-5〜10℃くらいまで耐えられるという売り文句ですが、それではここでは耐寒性不足。しかし駄目もとで一度くらい越冬試験してみましょうか。地上部が寒さでやられたとしても塊根が枯死しなければ多年草扱いで庭植えできるんですが。

今の所庭に安心して植えられるのはヘデリフォリウムだけですね。この種が有って本当に嬉しいです。この花が初秋から晩秋まで咲き続けるのだからヘデリフォリウムだけで十分満足ですよ。(USDA Hardiness Zone : 5a)

ところでシクラメン・コウム(Cyclamen coum)はどうでしょう?
春に咲くならヘデリフォリウムと相補的でちょうどいいと思ったんですが、耐寒性が足りないと知って諦めました。
しかしこのサイト(http://www.sunfarm.com/picks/cyclamencoum-083629.phtml)ではコウムの方がヘデリフォリウムよりも耐寒性が有ると断言していて(zone 5)それが本当なら使えます。おぎはらでは-10℃までと書いてあるけど。

大葉蛇の鬚(オオバジャノヒゲ) '黒龍'(Ophiopogon planiscapus 'Nigrescens')(zone 6)
は、夏に地上部が消える植物の目印になるように一緒に植えています。このヘデリフォリウムとか菊咲イチゲとか。コンパニオンプランツとして良い効果もない替わりに悪い効果もなく、後は美的に似合うかどうか。花は良いとしてヘデリフォリウムの緑の葉に対しては黒が利きすぎて、うーん、似合ってるのか似合ってないのか良く分かりません。ヘデリフォリウムは花と葉っぱが同時には出ないと思ってたんですけど、咲き始めはそうですが後から葉が出て来て結局花と葉を同時に見る事になるんですね。

黒龍は本当に真っ黒ですね。こんなに黒い葉の植物は他にないでしょう。都会的な雰囲気の'黒龍'ではなく、ただの緑の'玉竜'に替える?うーん。(それともヘデリフォリウムのシルバーリーフと黒龍を組ませてコンテナ植えのディスプレイにでもする?でもシルバーリーフの実生苗を沢山育てて白花を選別しないと。うん、10年がかりになるかな、それやると。)
最初耐寒性が不安でしたが'黒龍'はzone 7aで余裕綽々でした。雪が無くても大丈夫。zone 6aだと北風から守られる場所でないと厳しくて、zone 5だと越冬できない場合があるとか。

ついでにジャノヒゲ・タマリュウ(Ophiopogon japonicus 'Tamaryu')もここでは耐寒性十分です。庭を掘っていたら前のオーナーが根締めに植えたらしい'玉竜'の生き残りが出てきました。


黒の次は黄色のカラーリーフ。
カレックス・オシメンシス 'エヴァリロ'(Carex oshimensis 'Everillo')(zone 5)。
大島寒菅(オオシマカンスゲ)の黄葉品種。

近くの黄色いギボウシがもう溶けたと言うのに、これは寒さなど感じていないかの様。ひときわ黄色く目立つこと目立つ事。

Carex oshimensis 'Everillo'
カレックス・オシメンシス 'エヴァリロ'
大島寒菅は安定した強靭さでどんな場所でも安心して使えるんですね。乾いていても湿っていても日陰でも日向でも。
「海岸から山頂まで」OKだとか。しかし想定している山頂はどの山のでしょうか?
黄金風知草よりも日陰での黄色の発色が良いです。文句無しに黄色いです。1年で大分育ちましたが予想したより増殖は遅かったかな。

それでも、これよりは育ちが良かったです。
リリオペ・ムスカリ 'ピーディーインゴット'(Liriope muscari 'Peedee Ingot')(zone 6a)

Liriope muscari 'Peedee Ingot'
ヤブランの黄葉種 'ピーディーインゴット'
育ちが悪かったですねー。生育が早い種ではないとは知ってましたがこれほどとは。もう少し日向に植え替えましょうか。春の芽吹きもすごく遅くて枯れたのかと思いました。
リリオペは他にも'シルバードラゴン'のポット苗を冬に枯らしたこともあるし、地植えのも芽吹きが遅いです。もしかして耐寒性不足?
Hardiness zone 6a との記載。積雪無しだとzone 5では無理だそうです。雪がないとzone 7aの冬でもリリオペには厳しいのかも。

カレックスもペニセタムもグラスっぽい物って見かけは強そうなくせに実は耐寒性が低いものも多くて困るんですよね。


ところで、このグラス(っぽい植物)は?
適度な背丈、細くて柔らかそうな葉、しかも冬でも常緑、強耐寒性。はびこり過ぎて雑草化する恐れのないグラウンドカバー候補の一つ。

Tofieldia nuda var. furusei (Nov.4.2016 )
野州花石菖(ヤシュウハナゼキショウ)
野州花石菖です。
花が咲いていないとイネ科にしか見えませんが、オモダカ目チシマゼキショウ科。昔はユリ科に分類されていたくらいで美しい花が咲きます。

Tofieldia nuda var. furusei:真夏に雪の結晶のような花を咲かせる野州花石菖
Tofieldia nuda var. furusei (Jul.30.2016)
野州花石菖(ヤシュウハナゼキショウ)

7月に株分けして一つは地植え、もう一つはポットで養生。

Tofieldia nuda var. furusei (Jul.30.2016)
野州花石菖(ヤシュウハナゼキショウ)

その結果が3ヶ月後のこのサイズの差。元はポットの方が少し大きい程度だったのに。
肥沃な土、肥料、水やりは欠かさず、高い楢の樹の明るい木陰に置いたポットの株。
しばらくぶりに見た時「このグラスなんだったっけ?」と、自生してる見栄えのいい名無しのグラスを掘ってきたものかと思いました。

Tofieldia nuda var. furusei (Nov.4.2016)
野州花石菖(ヤシュウハナゼキショウ)
地植えの株が全然育っていないのはともかく葉っぱの先端がちぎれているのは何故?
まさかうちの猫が食べたのかなあ。嫌だなあ、毒は無いと思うけど
猫は風知草も喰いちぎって見栄えを悪くしてくれるんですよね

やはりこの地植えの場所は、光が少なすぎるのか乾燥しすぎるのかどちらかでしょう。合わないんですね。
肥料も地植えの方はちゃんとやったかどうか。
任せなさい。今度はもっと明るい湿った木陰、それから湿った日向にも植えて差し上げます。たっぷり堆肥混ぜた良い土で。
涼しくて湿っていれば軽く日向でも行けそうな気がするんですよね。


昨日は、シルバーの方と2人で石とか土とか木の移植とか疲れる大仕事の後で、暗くなってから1人で寄せ植えなんか作ってしまいました。

Rosa 'Parfait Amour', Garden cyclamen, Heuchera 'Palace Purpule' 
and Ophiopogon planiscapus 'Nigrescens'
薔薇'パルフェタムール'、ガーデンシクラメン、ヒューケラ 'パレス・パープル'
大葉蛇の鬚(オオバジャノヒゲ) '黒龍'

もう庭の強制終了まで秒読みのこんな時期に。作ったは良いけどあと2週間くらいの命?
しかし、玄関前に土しか入っていないこんな大コンテナがあるのを見たら、あまりの寂しさに花でも植えたくなるのが人情。

Garden cyclamen, Heuchera 'Palace Purpule', 
Ophiopogon japonicus 'Hakuryu' and Ophiopogon malayanus variegata
ガーデンシクラメン、ヒューケラ 'パレス・パープル'
蛇の鬚(ジャノヒゲ) '白竜' および 竜の鬚 'スノードラゴン'
'白竜'は全然増えませんね。こんなに増殖が遅くては値段も高い訳ですよ。
足りないので仕方なく'スノードラゴン'も使いました。

室内で使うつもりで買ってあったガーデンシクラメンを見てたらどうしてもここに植えてみたくなりまして。
他の材料も皆庭からかき集めて作った即席寄せ植え。
できてみたら結構いい感じ。お客さんが喜びますように。

Garden cyclamen, Heuchera 'Palace Purpule' and Ophiopogon planiscapus 'Nigrescens'
ガーデンシクラメン、ヒューケラ 'パレス・パープル'
大葉蛇の鬚(オオバジャノヒゲ) '黒龍'
このガーデンシクラメンは流石園芸品種だけあって花付きが良いです。黒龍もコンテナ植えなら問題無く良い感じに納まるんですよね。
さて、この「耐寒性」ガーデンシクラメン、八ケ岳農場(富士見町とかかな?)産はいつまで咲いていてくれるでしょうか。